【中古マンションの耐用年数】過ぎるとどうなる?耐用年数と寿命の違い、耐用年数後のマンションの売りにくさについて詳しく解説
1.中古マンションの耐用年数はどれくらいか
1-1.法定耐用年数は「47年」
1-2.「寿命」とは何が違うか?
2.中古マンションの寿命に影響を与えることとは?
2-1.建築材料と施工の“品質”による
2-2.建築時期による耐震性
2-3.どれだけメンテナンスを適切にしてきたか
3.中古マンションは耐用年数が来たらどうなる?
4.中古マンションの耐用年数が過ぎたら売りにくくなるのか?
5.古いマンションの売却は「買取」がおすすめ
6.まとめ
自分の判断で建て替えができる戸建住宅と違い、自分のほかにも居住者がいるマンションはそうはいきません。
「寿命がきたら建物はどうなるの?」
「耐用年数を過ぎても住めるの?」
「古くなったら資産価値はないのでは…」
など、マンションならではの“耐用年数”や“寿命”の問題は気になるものですよね。
鉄筋コンクリート造のマンションは木造戸建住宅よりは耐久性が高く、長く住むことができます。ただ、古いマンションにお住まいの場合、「耐用年数が来る前に売ってしまいたい・売れないならどうすればいいのだろう」という気持ちもあるかもしれません。
今回の記事では、中古マンションの耐用年数や寿命との違い、耐用年数が過ぎた後のことについても詳しくご説明していきます。
1.中古マンションの耐用年数はどれくらいか
まずは「耐用年数」について見ていきましょう。
1-1.法定耐用年数は「47年」
建物の法定耐用年数は、構造によって異なります。マンションのような鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート造は、すべての構造のなかでも最も耐用年数が長く47年です。
「木造・合成樹脂造は22年」「木造モルタル造は20年」ですから、木造住宅と比べるとマンションは2倍以上もの耐用年数を持っている建物です。
1-2.「寿命」とは何が違うか?
「耐用年数」という言葉と、「寿命」とを混同されている人も多いようです。
・耐用年数が来たら老朽化がひどい
・いつ壊れてもおかしくない
など、“壊れる”という不安なイメージがあるかもしれません。
しかし、前述した「法定耐用年数」は、税務上の計算に使われる減価償却費を計算するためのもので、寿命とは違います。
計算上の数値ですから、耐用年数の47年を過ぎたからと言って「建物が壊れる・住めなくなる」ということではないのです。
2.中古マンションの寿命に影響を与えることとは?
「人が住めなくなるほど危険度の高い」という、本当の意味での寿命は、さまざまな要素が影響しています。
2-1.建築材料と施工の“品質”による
マンションを建てるときの建築材料の品質によっても、寿命は左右されます。
高品質なコンクリートを使い、正しい施工がされたマンションの耐久性は高まります。結果的に、不具合も起こりにくく、寿命も長いでしょう。
一方、低品質の材料から建築されたマンションは、築10数年ほどで不具合が頻発することもあります。
2-2.建築時期による耐震性
日本は地震が多い国ですから、マンションのように高層の建物は倒壊のリスクを減らすために「耐震基準」に沿った建築が行われています。
ただ、
・1981年6月1日以降に建築された場合は「新耐震基準」
・それよりも以前に建築された場合は「旧耐震基準」
と、時期によって2つの基準があり、それぞれ内容も違います。
現在の新耐震基準は、かつての旧耐震基準よりも内容が厳しくなりました。「震度6や震度7のような強い地震でも倒壊しない」という基準で建てられているので、旧耐震基準で建築されたマンションよりは耐震性が高いです。
つまり、新耐震基準の方が寿命も長いと考えることができます。
2-3.どれだけメンテナンスを適切にしてきたか
メンテナンス状況は、マンションによって異なります。
たとえば、劣化しているのにも関わらず、何も対応せずにいれば寿命は縮まります。
一方、定期的に点検をし、不具合を初期に見つけているケースなら、劣化の進行をおさえて寿命も延びます。
つまり、“管理状況の良さ”が中古マンションの寿命を決める重要な要素となっているのです。
3.中古マンションは耐用年数が来たらどうなる?
鉄筋コンクリート造のマンションは、とても強度の高い構造です。
税法上の数値である法定耐用年数が過ぎたからと言って、倒壊したり、人が住めなくなったりなどはありません。法定耐用年数の47年をずっと上回り、60年を超えるケース、なかにはもっと長い寿命を想定して作られているマンションもあります。
しかし、永遠に建物の強度が持続するわけではなく、劣化の状況によっては「建て替えるべきタイミング」がやってくるでしょう。
ただ、戸建住宅と違い、中古マンションの建て替え問題は簡単なことではありません。なぜなら、マンションの取り壊しと再建設には莫大な費用がかかるからです。
居住者が平等に負担する方法でも、一戸当たりの負担額も大きく1,000万円以上の多額費用負担があると言われています。住民の4/5以上の同意が必要ですが、「住民の年齢層が高く、資金負担が難しい」と賛同者が少なく、実現しにくいのが現状です。
そのため、「修繕を繰り返しながら寿命を延ばしていく」「マンションごと売却して居住者で利益を分け合う」といった方法を取るケースの方が現実的と言えるでしょう。
4.中古マンションの耐用年数が過ぎたら売りにくくなるのか?
さきほどもお伝えしたように、「耐用年数」と「寿命」はそもそも意味が異なります。法定耐用年数の47年を過ぎても、まだまだ問題なく住めるケースもたくさんあります。
ただ、売却する場合は、耐用年数が過ぎた物件は、築浅と比べて売りにくいのが一般的です。
立地の良さや、リノベーション済などのアピールポイントがあれば、通常の売却もできるかもしれません。しかし、売れるまでに相当の時間がかかるうえ、金額的にも大幅値引きしなければならないケースが多いです。
5.古いマンションの売却は「買取」がおすすめ
耐用年数を超えた築年数の古いマンションの場合、「買取」がおすすめです。
仲介と違って、買取は不動産業者が直接買い取ってくれる方法で、現金化が早いという特徴があります。それに、すぐに手放すことができるので、「買い手が見つかるだろうか」という心配もなく、精神的にも負担がありません。
また、通常の売却では仲介手数料がかかります。しかも、売れるまでの間に不具合があれば、修繕費用も必要になるかもしれません。
買取は、そのままの状態で手放すことができます。しかも仲介手数料も不要ですので、費用負担が軽くなります。
6.まとめ
中古マンションは、47年という法定耐用年数を過ぎても、人が居住すること自体に問題はありません。ただ、品質や建築時期、管理状況によっては「寿命」が早くやってくることもあります。
どんなマンションも、いずれは建物全体が老朽化するものですが、「耐用年数を過ぎたら住めないのでは」というイメージを持っている方もいます。そのため、耐用年数が過ぎた中古マンションは、通常の売り方では売りにくい可能性があります。
今回お伝えしたように、耐用年数を過ぎている場合は「買取」がおすすめです。
リアルリンク・アネックスは、築古マンションの買取をメインに行っていて実績が多数あります。
「耐用年数が近づいてきたけれど売った方がいい?」
「建て替えの話をチラっと聞いたけれど買取してもらえるの?」
など、中古マンションの買取でお悩みのときは、実績多数のリアルリンク・アネックスにぜひご相談ください。