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訳あり物件ならではの売却時の注意点やコツについて

コラム

1.そもそも“訳あり物件”とはどんな物件のこと?
 1-1.心理的にあまりよくない印象の“心理的瑕疵物件”
 1-2.法律による基準を満たしていない“法的瑕疵物件”
 1-3.居住する上で重大な欠陥が潜んでいる“物理的瑕疵物件”
 1-4.周囲の環境に問題がある“環境的瑕疵物件”
 1-5.そのほか、売却するのが難しそうな物件”
2.訳あり物件の売却はできる?訳あり物件を売る際の注意事項
3.訳あり物件の売却のコツ
 3-1.コツ①:値引きをして相場よりも安くする
 3-2.コツ②:買取という選択肢を検討したい
 3-3.コツ③:訳あり物件の取り扱いに慣れている業者に依頼する
4.まとめ

「訳あり物件」と聞くと、多くの人がただならぬ事情があると思うのではないでしょうか。

売却側にとっては「どうせ売れないだろう…」、逆に購入側にとっては「訳によっては購入したくない」というように、売り手・買い手の双方で消極的になりがちなのが“訳あり物件”の売買です。

しかし、売主にしてみれば早く手放したいのに、“訳あり”というイメージによって売却しづらいのは不安ですよね。そこで、今回の記事では“買取”という選択肢があることや、訳あり物件ならではの売却時の注意点やコツをお伝えします。

また、多くの方は、事件や事故に巻き込まれて人が亡くなった事故物件を、訳あり物件として捉えているようですが、それだけではありません。「訳ありは売れないだろう…」と早合点せず、まずはご自身の物件が訳あり物件なのかどうかを見極めるところから始めましょう。

1.そもそも“訳あり物件”とはどんな物件のこと?

冒頭でもお伝えしたように、「訳あり物件=“人の死”が絡んでいる物件」という印象を抱かれることが多いようです。しかし、実際にはもっと広い意味があり、死に関する事情だけではありません。

一般的には次のような物件を指します。ひとつずつ見ていきましょう。

1-1.心理的にあまりよくない印象の“心理的瑕疵物件”

建物内で「他殺や自殺があった」「火災で人が亡くなった」「孤独死でしばらく発見されなかった」といった背景がある物件です。心理的によくない印象があるため、立地や間取りが申し分ないのに、売却に至らないケースも多いです。

マンションの場合、ご自身の部屋は何の問題もないのに、共用部分で事件があると敬遠されることがあります。

1-2.法律による基準を満たしていない“法的瑕疵物件”

建築基準法や都市計画法、消防法など、家を建てるときに守らなければならない基準を違反している物件を言います。

・建ぺい率や容積率を違反している
・接道義務を満たしておらず、再建築ができない
などが主な例です。

多くの場合、築年数の古い物件に法的瑕疵がよく見られます。それは、建築に関係する法律は施行や改正が繰り返されていることに関係しています。施行前に建てられた場合、現在の法律では「違反物件」となってしまうのです。

1-3.居住する上で重大な欠陥が潜んでいる“物理的瑕疵物件”

物理的瑕疵としてよく知られているのが「雨漏り・白アリ・外壁のひび割れ」などです。

生活に支障をきたすほどの物理的瑕疵もありますが、「床下や壁内部に白アリの被害がある」「アスベストを含んだ建材で建てられた」など、一見分からないものもあるでしょう。

1-4.周囲の環境に問題がある“環境的瑕疵物件”

物件そのものは目立った問題はなくても、取り巻く環境に難点があるケースもあるでしょう。

たとえば、
・目の前に墓地やごみ処理施設がある
・工場から臭いが漂ってくる
・隣人トラブルを抱えている
など、とても良い環境とは言えない物件のことです。

1-5.そのほか、売却するのが難しそうな物件”

心理的・法的・物理的・環境的な瑕疵がないのに売りにくい物件も、訳あり物件というときがあります。たとえば、「住宅ローンの滞納から競売にかかった物件」や「共有者が複数いて売りづらい物件」などです。

2.訳あり物件の売却はできる?訳あり物件を売る際の注意事項

心理面や法律面などの事情が背景にあると「誰も買ってくれないかもしれない…」という不安があるでしょう。でも、訳あり物件でも売却は可能です。

ただし、通常の物件を売却するのとは違った面が多いですから、それに合わせた注意点も踏まえておく必要があります。

せっかく興味を持ってもらっても、「そんな事情があるなら買いたくない」と一歩引かれることも。さまざまな瑕疵があるため、一般的な物件と比べると売りにくいことから、「黙って売ろう」と考える方もいるでしょう。

しかし、不動産売買において、瑕疵があるなら買い手に向けた“告知義務”があるとされています。つまり、何らかの瑕疵を把握しているのに黙っている状況は、告知義務違反となるのです。「瑕疵を知っていれば買わなかった」と、後々裁判沙汰へと発展するかもしれませんので注意しましょう。

3.訳あり物件の売却のコツ

どんな事情が隠れているかで異なりますが、訳あり物件は「なかなか売れない」「売却時にトラブルが起こりやすい」といった不安や疑問がつきまといます。そこで、訳あり物件ならではの売却のコツをおさえておきましょう。

コツ①:値引きをして相場よりも安くする

何かしらの問題を抱えているわけですから、相場と同じ状態では売れにくいことがほとんどです。一瞬、買い手を躊躇わせてしまう事情があっても「値引き次第では買ってもいいかな」と思わせることも大事です。相場よりも安くしましょう。

だからと言って極端に価格を下げるのも注意が必要です。安すぎることで逆に敬遠されて買い手が見つからないこともあるからです。

しかしながら、どのくらい価格を下げればいいかなどの微妙な調整は、素人の方では難しいものです。購入者側の立場に立ちながら、売却のプロである不動産業者とも相談して売却を進めていきましょう。

コツ②:買取という選択肢を検討したい

不動産を手放すとき、「購入者を不動産会社に探してもらう」という“仲介”での売却が知られています。

ただ、瑕疵の内容にもよりますが、訳あり物件は買い手が見つかりづらいという背景があります。“訳”を除けば好条件な物件の場合、間取りや立地で候補に挙げられることがあるかもしれません。しかし、訳を聞いただけで敬遠されることも多いでしょう。

そこで検討したいのが「買取」という選択肢。専門業者があなたの訳あり物件を直接買取する方法です。買い手を探すプロセスがなくなるため、手放すまでの期間がかなり短縮できます。

それに、買取なら「現状のままでの売却ができる」というメリットもあります。リフォームや解体も不要で、現在の状態でそのまま業者が買取してくれるため、かなりスムーズに手放すことが可能です。

仲介での売却よりは価格面では期待ができないデメリットもあるものの、訳あり物件を長く抱えたままの不安は脱却することができます。

訳あり物件を早くにも手放したいときには、買取も視野に入れましょう。

コツ③:訳あり物件の取り扱いに慣れている業者に依頼する

買取をしてもらうときは、さまざまな“訳”に対応できる経験豊富な業者に依頼しましょう。

訳あり物件の取り扱いに慣れていない業者は、そもそも積極的に対応してくれないこともあります。それに、「瑕疵の内容を告知する・しない」が後から大きな問題となるケース、さらには不動産業者や買主と揉めるケースもあるので注意しなくてはなりません。

また、訳あり物件は、「相場よりも価値が下がる」「仲介よりも査定額が低めの買取」で、価格面で大きな期待ができないものです。

ただ、訳あり物件の買取をたくさん手掛けている、ノウハウを熟知している業者なら、予想よりも高く売れる可能性もあります。

4.まとめ

どんな物件が訳ありなのか、そして売却の注意点、買取という選択肢があることも詳しくお伝えしてきました。売る側が「売れるかな…」と不安を抱えている以上に、買う側はナーバスになる物件です。通常の売り方をしても売れにくい点は覚悟しておくべきでしょう。

また、売れずに時間を費やすよりは、不動産業者に買取してもらう方法も検討することをおすすめします。ただ、不動産業者によっては訳あり物件の買取に慣れていないこともあります。買取に精通している業者でなければ、後からトラブルになるリスクもあるでしょう。

弊社では、訳あり物件も積極的に買取をしておりますので、お気軽にご相談下さい。